ピルには避妊目的のイメージがあるかもしれませんが、避妊以外に月経を順調に来させることができ、月経量を減らせたり、月経痛の改善効果や、ホルモンが安定することによりPMSの改善も期待できます。ピルはエストロゲンという女性ホルモンとプロゲステロンという黄体ホルモンの合剤で1日1回同じ時間に内服してもらう薬です。エストロゲンはどの製剤でも同じ種類であり、プロゲステロンの種類が異なっています。プロゲステロンの種類によって人によって出血量の減少がなかったり、不正出血を認めたり、PMS症状の改善がなかったりと個人差が出てしまいます。その場合はピルの種類の変更を相談させていただきます。

また、血栓症といって小さな血の塊ができるリスクが一般的な人の3倍あると言われており注意が必要です。水分摂取を心掛けていただき、自覚症状（片足がむくんだり、胸が苦しい感じ等）があった場合は内服を中止してすぐに受診してください。

ピルの種類

月経困難症に保険適応で処方することができるピル（フリウェル、ヤーズ、ジェミーナ）と、避妊目的で処方する自費処方のピル（ファボワール、マーベロン、アンジュ、トリキュラー）があります。

ピルには1相性と3相性のピルがあります。1相性とはピルのホルモン量がどの錠剤も変化せず一定なもので飲み間違いがあっても効果が変わらないです。保険適応となるピルはすべてこちらのタイプです。3相性はホルモン量が異なる3種類の錠剤があり、徐々にホルモン量が増加しており順番通りに錠剤を内服していくものです。女性の自然なホルモンバランスにより近くなり、不正出血が起こりにくいと言われています。アンジュ、トリキュラーがこちらのタイプです。

当院では自費のピルとして

• アンジュ（3相性）、ファボワール（1相性）…1シート2000円
• トリキュラー（3相性）、マーベロン（1相性）…1シート3000円

で処方しています。