日帰り手術
当院では
① 流産手術(赤ちゃんの心拍が止まってしまった状態)
② 人工妊娠中絶手術
③ 尖圭コンジローマ切除
④ 頸管ポリープ摘出術
⑤ バルトリン腺造袋術(バルトリン腺膿瘍を対象)
⑥ 外陰腫瘤手術
を日帰りで行っています。
① 流産手術
流産手術は妊娠12週未満まで対応しており、保険診療です。
また、胞状奇胎の手術も行っています。
胞状奇胎とは胎盤をつくる絨毛細胞が異常に増殖する病気です。原因としては受精卵の異常により全胞状奇胎と部分胞状奇胎に分けられます。全胞状奇胎は卵子のDNAが消失し、精子のDNAだけで起こり、部分胞状奇胎は1個の卵子に2個の精子が受精した場合となります。妊娠500回に1回の頻度と言われており、症状としては吐き気、性器出血が起こることが多いです。治療としては子宮内容除去術(胞状奇胎除去術)を行い病理検査で確定診断を行います。その後hCG値をフォローする経過観察の期間が半年程度必要となります。
② 人工妊娠中絶手術
人工妊娠中絶手術は妊娠12週未満まで対応しており全額自費負担となります。事前診察が必要で超音波による診察と血液型や貧血を調べるための採血検査、手術の説明をさせていただき手術の日程を相談いたします。料金は事前診察が5000円、手術および手術後の外来(1回)と合わせて11万円です。ラミナリアによる頸管拡張の処置が必要な方は13万円となります。
流産手術、人工妊娠中絶手術に関しては静脈麻酔で眠くなる薬と痛み止めを使用して手術を行います。手術中は心拍、血圧、酸素濃度を常にモニターしながら安全性を重視して手術しています。12時半頃に来院いただき午前診療が終了した後に手術を行い麻酔がしっかりと覚めた夕方には帰宅できます。ただし、赤ちゃんが大きく頸管拡張という処置が必要な方は9時半頃に来院いただき子宮頸管にラミナリアという管を入れさせていただく場合もあります。
③ 尖圭コンジローマ切除
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で性器周辺や肛門周辺にイボのようなできものができます。 初めは小さな先が尖ったような形をしたイボですが、悪化するとイボのサイズは大きく範囲も広がっていきます。
治療方法
病変部分を切除してしまう方法やイミキモドクリームを塗布する方法があります。切除の場合は痛み止めを使用して病変部分を切除し糸で縫合して止血します。処置の時間は病変の大きさにもよりますが10分程度で終わります。1週間後に抜糸に来ていただき2週間後に切除した病変の病理検査結果をご説明します。
④ 頸管ポリープ摘出術
頸管ポリープは子宮の出口にある頸管の組織が限局的に増殖し、子宮の出口に有茎性の腫瘤が露出している病気で、接触すると簡単に出血することが多いため不正出血の原因となることもあります。治療は基本的には切除することが推奨されており、茎が細ければ診察時に内診台でそのまま摘出することができます。時間は止血の確認も含めて5分程度で終わります。
⑤ バルトリン腺造袋術
バルトリン腺膿瘍は外陰部にあるバルトリン腺に膿が貯まり痛みが出る病気です。バルトリン腺は腟口の左右にある小さな分泌腺です。通常は触ってもわからないくらいですが、この腺が詰まると液体が貯まりのう胞ができます。腫れるとゴルフボールの様な大きさまで腫れて痛みを伴うことがあります。また、細菌が入り膿瘍という膿ができ発熱と強い痛みが出る場合もあります。
治療方法
治療方法としては穿刺、造袋術があります。穿刺の良い点はすぐに終わり疼痛も少ない点がありますが、穿刺した穴が小さいためすぐに塞がってしまい再発してしまう場合があります。造袋術は穿刺より穴が大きく、再発しづらいことが良い点で、バルトリン腺のう胞を繰り返す方やできるだけ再発したくない方にはお勧めです。のう胞の壁を広く切開し内容物を排出し、周囲の皮膚と縫い合わせることでバルトリン腺の穴が開いた状態を保つ処置です。局所麻酔での処置が可能で外来でも行うことができます。処置直後は切開した部分は広く開いた状態となり、膿瘍も自然に排出され、切開した部分も自然に縮小していきます。処置時間は20分程度で終わります。1週間程度は穴が塞がらないように2-3日に1回来院いただき小さなガーゼの交換を行います。
⑥ 外陰腫瘤手術
外陰部にできた小さな腫瘤は当院で切除可能です。主に粉瘤や線維腫等の場合は局所麻酔を行って摘出しています。
粉瘤とは皮膚にできた袋の中に角質や皮脂がたまって固まることで形成されます。たまった角質や皮脂は袋の外に出すことができず、徐々に大きくなることがあります。内部に炎症や細菌が感染すると痛みがでてしまう原因となります。全身のどこの皮膚にでも起きる可能性がある病気です。
線維腫は赤色から褐色の小さな隆起した腫瘍で、コラーゲンというタンパク質が蓄積することで形成されます。痛み、痒みなどの自覚症状はほとんどありませんが大きくなってきたら治療が必要な場合があります。
治療はどちらも局所麻酔を行った後に腫瘍を摘出します。摘出した部分を縫い合わせて出血が止まったことを確認して終了となります。処置時間は10分程度で終わります。
コンジローマ切除、頸管ポリープ切除、バルトリン腺造袋術、外陰腫瘍手術に関しては切除し止血確認できればすぐご帰宅可能です。