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月経の異常 不正出血

通常の月経(生理)は以下のように定義されています。    

  • 周期:25日から38日
  • 持続日数:3日から7日
  • 出血量:80ml程度   

月経異常(生理不順)とは

  • 周期:25日未満または39日以上
  • 持続日数:8日以上
  • 出血量:150ml程度と多い(過多月経) いずれかに当てはまることを言います。

ストレスや環境の変化、体重変化によるホルモンバランスの乱れが月経異常の主な原因となることが多いです。多嚢胞性卵巣症候群※1が月経異常の原因となる場合もあります。また、過多月経の原因として子宮筋腫※2や子宮腺筋症※3等の疾患が原因となることがあります。ただ、自分の月経量が多いのか他人と比較することが難しいと思います。自分としては量が多い(夜用ナプキンを日中もしていないといけないくらいや血の塊が出てくる等)、ふらふらして貧血のような症状がある方は採血検査で貧血がないかチェックすることもできますのでご相談ください。

※1 多嚢胞性卵巣症候群

通常の月経周期では、排卵に向けて数十個の卵胞が育ちますが、1個の卵胞だけ選ばれ成長して(主席卵胞)排卵されます。ところが、多嚢胞性卵巣症候群は卵胞の成⻑が途中で止まり、たくさんの⼩さな卵胞が卵巣内にある病気です。

卵胞が育たない理由として、ゴナドトロピン分泌異常や男性ホルモン過多が原因だと考えられています。通常排卵して2週間程度で月経が来ますが、排卵できないことで月経が来るタイミングが異なり月経異常の原因となります。治療としては妊娠を希望される場合は排卵誘発剤を内服して排卵を促し妊娠成立を目指します。妊娠をまだ希望されていない場合は子宮体がんのリスクを下げるためにホルモン剤を使用して定期的に月経を起こさせることが重要です。

※2 子宮筋腫

子宮筋肉組織の腫瘍で、比較的若い方から閉経後の方まで幅広い年代に見られる良性の病気です。30代後半から40代の女性の4割に子宮筋腫があるともいわれているほど多い病気です。子宮筋腫は場所により、子宮の外側にある漿膜下筋腫、子宮の筋肉内にある筋層内筋腫および子宮内膜に突出する粘膜下筋腫に分けられます。症状としては、過多月経、過長月経、月経痛、貧血症状などがあります。さらに子宮筋腫が大きくなると周囲を圧迫して、頻尿、排尿のしづらさ、便秘、腰痛などの症状が出たり、時には不妊や流早産の原因にもなります。症状の強さは子宮筋腫のある場所、大きさや個数などによって異なります。治療としては過多月経、過長月経、月経痛、貧血症状の場合はピル等のホルモン剤を使用することで改善が見込まれることがありますが、症状が強い場合は筋腫を取る手術が必要な場合があります。

※3 子宮腺筋症

子宮筋層内に子宮内膜に似た組織ができることで子宮筋肉内の壁が厚くなり、子宮全体が大きくなる良性の病気です。20-30%程度の女性がなるというデータがあります。⼦宮腺筋症があると、月経痛や過多月経、⽉経期間が長くなる、貧血などの症状があらわれます。女性ホルモンの影響を受ける病気であるため、月経がある間は症状が重くなりますが、閉経後は縮小して症状も軽減します。治療としては月経痛に対して痛み止めを使用し、過多月経の方にはピル等のホルモン剤を使用することがあります。内服薬でも症状改善がない場合は子宮を取る手術が必要な場合があります。

検査方法

超音波で卵巣が腫れていないか子宮に筋腫がないか等をチェックします。また、月経のことで日常生活に支障が出る(生理の量が多い、生理がいつ来るかわからないから予定が立てづらい)場合は月経をコントロールするお薬(ピルやジェノゲスト)も処方できます。

不正出血

月経以外の性器からの出血を不正性器出血と言い、生理予定日周囲以外の出血を指します。不正出血の原因は多くは器質性出血、機能性出血、排卵期出血に分けられます。

器質性出血は性感染症等により子宮頸部に炎症が起きたり、頸管ポリープ※4や、子宮体部に粘膜下筋腫があることで出血が起きやすくなります。また悪性腫瘍(子宮頸がんや子宮体がん)も同様に不正出血が起きる原因となります。

機能性出血はホルモンバランスの乱れによる不正出血が原因となります。脳や卵巣から分泌されるホルモンがストレス等によって乱れたり、排卵しないことにより起こるとされます。

排卵期出血は排卵時期にホルモンが変動し子宮内膜が一部はがれて出血したり、排卵により出血した血液が出てくる現象です。
器質性出血以外は経過を見ても大丈夫な場合が多いですが、診察しないとわからないので不正出血があった場合は早めにご来院ください。

※4 頸管ポリープ

子宮の出口にある頸管の組織が限局的に増殖し、子宮の出口に有茎性の腫瘤が露出している病気で、接触すると簡単に出血することが多いため不正出血の原因となることもあります。治療は基本的には切除することが推奨されており、茎が細ければ診察時に内診台でそのまま摘出することができます。時間は止血の確認も含めて5分程度で終わります。内膜ポリープも頸管ポリープと同様に子宮内膜の細胞が増殖し腫瘍ができる病気です。不正出血の原因となる場合はホルモン剤等で治療しますが、改善しない場合や不妊症の原因と考えられる場合は手術で取り除く必要があります(その場合は手術可能な病院へご紹介いたします)が、症状がない場合は経過を見ることも可能です。

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